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2012年12月27日

昨日やっと今年最後の性食鬼を描き終えて、つかの間の自由な気分になってるんですが、すぐに『しすとも』単行本の修正をやらないといけないので自由って何?という感じです。
今回『性食鬼』3巻と『しすとも』の単行本は同月発売で稲光伸二フェア的なことをやろうということになっていて、少しだけ発売日が早い『性食鬼』のほうはもう単行本作業は完全に終了してるんですが、なんと3巻は全ページ修正してます。本当に全ページです。雑誌掲載時と同じページはございません。

なぜこんなことをしたかというと、3巻収録の原稿を描いた時期は当然『しすとも』連載期間と重なっており、2つの連載を並行していくなかでクオリティに納得がいかないまま締め切りを迎えることが多々あったというか毎回そんなギリギリを攻めていて、これこのまま出すのは申し訳ないなと思っていたのです。つまり『しすとも』も全ページ直します。これから。
と言っても全ページ描き直したわけではなく、ちょこっとトーンを足しただけのページとかもありますが、直したのは主に背景です。現在背景はほぼ全て3DCGで描かれているんですが、連載中はとりあえず適当にやっつけた未完成の背景でしのぎながら、後からハイクオリティな背景に差し替えることがわりと簡単にできてしまうんです。できてしまうとやってしまうんですね。困ったことです。
『性食鬼』3巻の後半から学校の体育館で戦う(これ戦ってるの?)シーンになるんですが、その体育館の3Dモデルも回を重ねるごとに徐々にディテールを加えたり調整したりで良くなっていってるわけで、そうやってできた完成版の3Dモデルで最初の方の背景も全部描き直すことができるんです。人間のアシスタントにそれをやってもらうと相当関係が悪くなりそうですが、コンピューターさんなら文句ひとつ言わず寝ないでやってくれますからね。この前ずっと寝ないでやらせて一番大事なときに壊れましたけどね。

あとはこれもCGに関わることなんですが、3巻出だしの20、21話は実験的な手法を試していて、背景だけではなく人物も3Dモデルでポーズ人形のようなものを作ってそれをそのまま下書きとして使っているのです。ポーズを動かす労力と普通に下書きをする労力とどちらが楽なのだろうと、とりあえずやってみたものの結果は「どちらもそんなに変わらない」という惨憺たるもので、CGゆえのなんか硬いキャラクターの絵だけが残ったということで、この2話は人物もかなり描き直されてます。これに時間をかけすぎたために他に直したいところを諦めたりもしたんですが、まあ全部描き直したとしてもどこか納得出来ないところは残るわけで、それは仕方ないものとして次に進むしかないのかなと。

コメント(2)

お疲れ様でございます。単行本化というとジャンプの某T巨匠のように連載時の下書きみたいな絵をそのまま持ってきてる人もいますし、「ガラスの仮面」みたいに描き直しまくってストーリーまで変わってる(だからファンは雑誌の方を手放せない)ような極端な方もいますが、まあ多くの場合は一部加筆修正でしょうね。人気が出れば別途"完全版"という道も?/「性食鬼」の方は特に不完全という印象はありませんでしたが、スキャナーで残してはあるので単行本と比較してみます(笑)

エロ漫画は絵が命ですから。さらに性食鬼の場合は自分のために描いてるというのが大きいので自分を満足させるために徹底的にやりますよ。

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