2012年12月アーカイブ

2012年12月31日

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ここはひとつオラも今年の10大ニュースみたいなものを書いてみようと思って10個思い出してみたんですが、意外といろいろあったなあとそれだけで達成感を得てしまってもうどうでもよくなってきてるんですが、初めて紙の連載を2本同時にやったこととかmodo601すごいとか既に皆さんご存知なことはおいといて、今年のうちに書いておかなければならないこととして、9月についにやらかしたでっかい買い物のことが挙げられます。

ライカM9-Pという、まあデジタルカメラなんですが、知らないという人はそれを買うことがどれだけ愚かな行為であるか値段をググるなどして調べてもらうとして、知ってる人はついにやりましたか馬鹿ですねという素晴らしいものなんですが、長年の夢であったカメラを手に入れたんですよ。

3年前にiPhoneを買ったときもそうですが、良い道具というのは生活スタイルを変えてしまいます。このカメラを買ってからというもの、雨が降らないかぎり毎日外を歩くようになりました。フィルムのライカも愛用していましたが、さすがにフィルムで毎日散歩で出会う光景は撮っていられません。現像に出すこととさらにフィルムをスキャンしてデジタルデータにする手間を考えると、そう簡単にシャッターを押すことができなくなるんですね。
でもそれがデジタルになれば一切何の気兼ねもなく撮りたいと思った瞬間に何でも撮れるんですよ。どんなつまらない物でも撮れるようになることで、たまにそこから面白いものが生まれたりもします。

そんなわけで、つい運動不足になりがちな漫画家がデジタルの力で更生したという話でした。写真は12月31日調布の空。

2012年12月30日

Kindle Paperwhiteを買ったんですよ。っていうか入荷待ちだったのが昨日届いたんですけど。iPhoneのKindleアプリを使っていてこれは便利だと思って大きい画面で見たくなったんですね。iPadもしくはminiを買ってKindleアプリで読むという選択肢もありますが、外出時に使うことを考えると多くの場合MacBook AirとかiPhoneとか機能が被りまくりのデバイスを一緒に持っているマヌケな状況が考えられるので、本を読むということだけに特化した軽いものがいいだろうと思ったのです。いつもの荷物にプラス本を一冊持つような感覚で。

使ってみた感じはやっぱり多くの人が言っているとおり、Eインクは綺麗だけど画面の切替のもたつきちらつきが気になるよねとか、それでもこの手軽さはもう紙の本には戻れないよねとか、お金を払ってる実感がないから買いすぎて怖いよねとか、そんな感じなんですが、やっぱりまだまだ品揃えが少ない。もう紙の本には戻れない体にしておきながら読みたい本はあれもこれも全然Kindle化してないじゃないですか。

俺の漫画だと『フランケンシュタイナー』のみがKindle化してるようなんですが(買ってね)、それは他の本も今ガンガンやってるからちょっと待ってなーなのか、それとも採算あうと確定するまでの様子見なのか、どっちにしてもこの遅さにすげーイライラするんですよ。こんなあからさまに先に動いた奴が勝つっていう状況で何やってんのかと。電子書籍はやっぱり日本になじまずみんな紙の本を買うようになりましたっていう未来ありえないじゃないですか。ないよ。やろうよねほんと。(Kindle化リクエストのリンクをクリックしながら)

2012年12月27日

昨日やっと今年最後の性食鬼を描き終えて、つかの間の自由な気分になってるんですが、すぐに『しすとも』単行本の修正をやらないといけないので自由って何?という感じです。
今回『性食鬼』3巻と『しすとも』の単行本は同月発売で稲光伸二フェア的なことをやろうということになっていて、少しだけ発売日が早い『性食鬼』のほうはもう単行本作業は完全に終了してるんですが、なんと3巻は全ページ修正してます。本当に全ページです。雑誌掲載時と同じページはございません。

なぜこんなことをしたかというと、3巻収録の原稿を描いた時期は当然『しすとも』連載期間と重なっており、2つの連載を並行していくなかでクオリティに納得がいかないまま締め切りを迎えることが多々あったというか毎回そんなギリギリを攻めていて、これこのまま出すのは申し訳ないなと思っていたのです。つまり『しすとも』も全ページ直します。これから。
と言っても全ページ描き直したわけではなく、ちょこっとトーンを足しただけのページとかもありますが、直したのは主に背景です。現在背景はほぼ全て3DCGで描かれているんですが、連載中はとりあえず適当にやっつけた未完成の背景でしのぎながら、後からハイクオリティな背景に差し替えることがわりと簡単にできてしまうんです。できてしまうとやってしまうんですね。困ったことです。
『性食鬼』3巻の後半から学校の体育館で戦う(これ戦ってるの?)シーンになるんですが、その体育館の3Dモデルも回を重ねるごとに徐々にディテールを加えたり調整したりで良くなっていってるわけで、そうやってできた完成版の3Dモデルで最初の方の背景も全部描き直すことができるんです。人間のアシスタントにそれをやってもらうと相当関係が悪くなりそうですが、コンピューターさんなら文句ひとつ言わず寝ないでやってくれますからね。この前ずっと寝ないでやらせて一番大事なときに壊れましたけどね。

あとはこれもCGに関わることなんですが、3巻出だしの20、21話は実験的な手法を試していて、背景だけではなく人物も3Dモデルでポーズ人形のようなものを作ってそれをそのまま下書きとして使っているのです。ポーズを動かす労力と普通に下書きをする労力とどちらが楽なのだろうと、とりあえずやってみたものの結果は「どちらもそんなに変わらない」という惨憺たるもので、CGゆえのなんか硬いキャラクターの絵だけが残ったということで、この2話は人物もかなり描き直されてます。これに時間をかけすぎたために他に直したいところを諦めたりもしたんですが、まあ全部描き直したとしてもどこか納得出来ないところは残るわけで、それは仕方ないものとして次に進むしかないのかなと。

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稲光伸二の単行本